お酒で咲かそう、暮らしの花(特定名称酒とは?編)
写真提供:フリー写真素材ぱくたそ
「同じ銘柄でも、大吟醸酒や純米酒などで分かれているけど、これって何が違うのかしら?」
お客様からのお尋ねで多い質問のひとつです。
大吟醸酒、純米酒などは『特定名称酒』と呼ばれています。
日本酒の原料であるお米の磨き方や醸造アルコールを加えるか否かによって、以下のように『特定名称酒』の呼称が変わり、それぞれ特色のあるお酒が醸し出され、味わいや風味の違いが生まれます。今回は、その大まかなところをお伝えします。
■お米の磨き方の違い
特定名称酒の区分は、お米の磨き方の比率がひとつの特色です。
お酒の原料となるお米は酒造好適米(しゅぞうこうてきまい)といって、おいしい日本酒のために品種改良されたものを使います。一般的には酒米(さかまい)といい、当社で用いている「山田錦」はその代表格です。
酒米はそのまま使うのではありません。デンプン質が集中する心白(しんぱく)とよばれる中心部を主に使います。表層や中間層に多く含まれるたんぱく質や脂質は雑味の原因となるため、米粒の表面を削ります。これを専門用語で 磨く といいます。
よく磨いたお米で造った吟醸酒系のお酒は、雑味がなく、すっきりとした味わいになります。また、「吟醸香(ぎんじょうか)」と呼ばれるフルーティな香りも出ます。バナナや青リンゴの香りに例えられることが多いです。
一方、純米酒や本醸造酒はお米本来の旨味を存分にいかしたお酒といえるでしょう。飲みあきず、和食などにもあいやすいため、晩酌など食中酒としてよくご愛飲いただいています。
■醸造アルコールを添加するか否かの違い
本醸造酒、吟醸酒、大吟醸酒などの本醸造酒系のお酒は、基本的なお酒の原料に加えて、醸造アルコールを添加するのが特色です。
米と米麹、水だけで十分おいしいものができるのに、なぜ醸造アルコールを加えるのか、それには理由があります。
醸造アルコールには、雑味を抑える効果があり、日本酒の香りや味わいに変化をつけることができるのです。すっきりとキレのよい辛口で、香りが高いものになります。
もろみを搾る直前に加えられるアルコールは、日本酒の個性をさらに引き出してくれます。
いわば、酒蔵が皆様にご提案したいと思う風味や味わいを存分に表現できるもの。
なお、博多百年蔵の製造直売所では、試飲コーナーを設置しております。
ラベル表示をご覧になりながら、ぜひいろんな味わいをお楽しみいただければと存じます。